ぼくのほそ道

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「IQ25」の被告、見つからぬ社会の“居場所”…刑罰か福祉か(産経新聞
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20140415-00000553-san-soci
 
---以下引用---
法務省矯正統計によると、24年の新規受刑者2万4780人のうち、知的障害の疑いがあるとされる知能指数70未満の人は5214人。全体の21%だ。

 一方、厚生労働省の23年度の推計では、全国の知的障害者数は74万1千人。先の法務省統計と照らせば、犯罪者は0・7%にすぎない。知的障害者が犯罪をする傾向にあるわけでは、決してないのだ。
---引用おわり---
 
平成23年10月1日の日本の総人口は1億2800万人。ということは、日本人一般が新規受刑者になる率は0.02%だ。知的障害者が新規受刑者になる率は記事にあるとおり0.7%。知的障害者が新規受刑者になる率は、日本人一般の35倍も高い。どうやったら「知的障害者が犯罪をする傾向にあるわけでは、決してないのだ」なんて結論できるんだろう。結論はまるで逆だ。このような一瞬で分かるようなことが、この記事を書いた人には分からないのか。電卓で計算するまでもなく、こんな結論は導けないことはすぐ分かるべきだ。
 
ちなみに私は、ことさら「知的障害者の犯罪率は高い」などと積極的に指摘したいわけではない。むしろ、簡単な計算すらできずに「知的障害者が犯罪をする傾向にあるわけでは、決してないのだ」なんてまちがった記事を書くのは、知的障害者に対する福祉の推進にとっても逆効果だと思うので指摘している。
 
すぐ調べたら分かるようなウソを書いて何かを主張するというのは、結果として逆効果となる。記者には「オオカミ少年」の童話を読み返してほしいと思うのである。

 

ちなみに私は、本などの文章を書くときは、「自分より頭のいい人、自分より専門性の高い人がこれを読んだら、僕は怒られる!!!」という強迫観念に支配されている。こういう思考回路は私を苦しめるが、結果としてまともな文章を残すことにつながるだろうから、あえて矯正はしていない。マスコミの記者さんにも、こういう思考を持ってほしい。