雪の青森駅、呆然とした表情の旅人たちにまじって、急行 はまなすに乗り込む。目が覚めたら札幌なのである。

１８きっぷの旅は極端だ。快適さとは程遠い。あるときは酒田駅のような陸の孤島で二時間以上も足止めをくらう。またあるときは秋田駅での乗り継ぎ時間はわずか三分。無案内なはじめての駅で走ったりしてギリギリ間に合う。名物も 喰わず乗り継ぐ 鉄路かなそ…

早朝６時、直江津から大阪発の急行きたぐにに乗り込む。今日からはＪＲ東日本パスを使うので、別途急行券を買えば乗車券を買わないでも急行に乗せてもらえるのだ。ゆうべ遅くに到着したときの雨は、朝起きると雪に変わっていた。水分を多く含んだ重たい雪だ…

金沢と富山で列車を乗り継いで前後不覚で寝て覚めたら水のまちとして有名な入善だった。入善は有名だが富山にあるとは知らなかった。けっこう大きな駅で大勢降りる。みなさんおつかれさまです。おやすみなさい。僕はこの電車にあと一時間ばかし乗って直江津…

福井駅で乗り換えだ。改札を出てすぐの立ち食いそば屋でかき揚げうどんを食べる。強烈にゆるゆるの麺だ。まいった。見上げると「そばは福井名物」みたいな宣伝文句を見い出す。どうもうどんを頼んだのは間違いだったようだ。福井駅構内の妙なオブジェをしば…

神戸からひたすら新快速に乗り続けていると、電車は福井県に入ってほどなくして、敦賀駅で僕を吐き出した。人生初の福井県、敦賀駅前は冷たい雨が降っていた。あわててザックからダウンジャケットを取り出す。三月とはいえここは北陸。僕の流儀は、この異国…

仕事に追いまくられて一日中がんばった日の夜、一息ついてると、ふと旅に出たくなった。思い切り地味な場所を巡る、スケジュール的にも体力的にもハードな一人旅がしたいのだ。貧乏神に取り憑かれてしまった。鈍行列車を乗り継いで北へ北へ。「春浅く １８き…