ぼくのほそ道

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公務員たたきは国民の損失?

「国は借金だらけなのに公務員にボーナスが出るのはおかしい」
こういう一見もっともらしい言い草がよく聞かれる。その一方で、
「東大法学部を出てキャリア官僚コースにいくのは超エリート」とも言われる。

僕は、自分が公務員だから言うのではないけど、過度の公務員たたきは国民の損失につながると思っている。

もちろん、もしも公務員が世襲で既得権益を独占しているような事態(たとえば郵政民営化まえの一部の郵便局など)があれば非難されるべきだが、世界で一番難しいといわれるキャリア官僚への公務員試験をパスしてがんばってるエリートたちを批判するのはおかしいのではないだろうか。

東大法学部の学生たちにも職業選択の自由があり、その自由の中で多くのエリートたちが官僚になる決断を下してきたのがこれまでである。しかし、これまで以上に公務員たたきが進むと官僚への気持ち的な憧れが減少するだろうし、また公務員の給料などの待遇の劣化が進むと、エリートたちが官僚を選ばなくなっていく。すると、これまでは超難関だったキャリア官僚に、二流の人材たちが入っていくことになる。

キャリア官僚は法令の条文を書いたりなど立法・行政の核心を担う人材なのに、二流の人材が担当するようになっても良いのか?大きな不安を感じるのである。

ニッサンは、赤字続きで経営がやばいときに、あえてカルロスゴーンさんを社長に迎えて立て直した。しかし、ゴーンさんの給料は、それまでの日本人社長の給料の軽く10倍以上もあったらしい。当然ニッサンの内外からは、「赤字なのにそんな高給取りを雇っていいのか」という批判もあっただろう。しかし、そういう有能な人材だからこそ、彼にしかできないミッションを達成できたのである。

「国がやばいときこそ、有能な人材を募集することをやめてはいけない」
こういう考え方もあってよいと思う。公務員はボランティアではないのだから。