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ぼくのほそ道

サイエンスとかアートとか自然とか仏像とか生物とか・・・。僕の知り合いの人は読むの非推奨!

庚申塔にみられる民間信仰と風化

キリスト教・イスラム教・ユダヤ教などの基本的な教義が確立された宗教とは違い、日本に根付いている神道・仏教・道教・儒教などの教えの断片は、そのあやふやさとあやうさ自体が魅力のような気がします。

 

仏教を輸入する際に、本地垂迹などの考え方を作り出して神道と融合させたのは有名な話です。神道の神さまは、実はその本体は、仏教の仏さまだった!そしてその仏さまは、仮の姿で日本に現れていた!なんてなかなかドラマチックでおもしろいです。

 

そういう子供だまし・後付け感満載・お祭りイベント的フレーバーが相当な濃度で混合しているのが、庚申信仰ではないでしょうか。もともとは道教に由来する信仰が、日本で神道とかサルとか仏教とかと混ざり合って江戸時代に全盛を迎えたというシロモノです(そう、サルに対する信仰も色濃いのです)。

 

庚申信仰はイベントの要素を持っていて、特定の日に仲間同士で集まって食べたり飲んだり話したりしながら夜更かしする、というだらけた大学サークルのような行動を取るのが活動なのです。こうやって夜更かしすること自体にご利益があるという信仰なので、そりゃ楽しいですよね。参加者は、罪悪感なく堂々とだらだらできるというものです。

 

そして、庚申仲間たちはたまにお金を出し合って、記念にこういう庚申塔を立てるのです。これは横浜市磯子区で採取したサンプル。僕のようにおかしなもの大好き人間にとっては相当な大発見です。しかし突っ込みどころが多すぎて、どこから話せばよいのやら・・・。 

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まず、左が庚申塔なんですが、右側には仏教的な石碑。そしてこの石碑には、なぜか「南無妙法蓮華経」という日蓮宗の題目と、不動明王という密教の仏さまが同時に刻まれているという無法っぷり。「理屈はよくわからなくてもとりあえず効きそうだから信じてみる 」という、テレビショッピングのサプリメントを買っちゃうおばちゃんの感情は、こうやって江戸時代から受け継がれてきたものなのかもしれません。

 

そして庚申塔庚申塔の魅力は、その稚拙っぷりです。造形がちゃんとしてないところに、かえってそそられます。正面から見たらこんなかんじ。なんだかよくわからないですよね。

 

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そして、なぜか男根が立てかけられているという。謎すぎです。

 

ちゃんとサルのレリーフもあります。この顔の造形のザツっぷりがいいですね。落書きレベルです。

 

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庚申塔のザツさは、使われている石のクオリティにも表れていて興味深いです。お金をケチってはいけないってことですね。ちゃんとした石を使わないと、このように風雨で溶けていくのです。

 

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でも溶けかかったおサルさんにも味がありますよね。

 

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