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ぼくのほそ道

サイエンスとかアートとか自然とか仏像とか生物とか・・・。僕の知り合いの人は読むの非推奨!

素直な気持ちとお供えもの

僕は仏像は好きなんですが、実は、宗教はあまり好きじゃありません。やはり科学者なので、間違いだらけの教義を上から目線で押し付けてくるという宗教の根本的な仕組みにちょっぴり違和感を感じるのです。しかし、何かを信じている人々のことは、すごく好きです。信仰の姿はうつくしいと、素直に思います。

仏像は好き、宗教はきらい、人が信仰する姿は好き、と好ききらいのピンポイントが妙なところにあります。

というわけで、横浜市金沢区の安立寺。境内には水子供養の観音さんがおり、信仰を集めているようです。

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わが子をうしなうというのは、それがたとえ胎児であったとしても、深い深い悲しみと喪失感を長く引きずる要因になるのでしょう。やっぱり人間は、そういうふうにできているのでしょう。

哺乳類や鳥類などわが子を世話する動物のなかでも、人間がひとりの子どもに投資する労力や時間や愛情は群を抜いています。できのわるい子どもでも途中で見限らないように、人間は子どもへの感情的愛着が非常に強いはずなのです。そう考えると、強い愛情を注ぐ準備の整ったところでその対象を失ってしまうというのは、かなりの悪夢的経験なのではないでしょうか。

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そういう喪失感をさらけだせるところ、それが信仰であり、具体的にはこの水子供養の観音さんなんだと思います。その気持ちは、悲しくもうつくしい。

お供えものの人形たちは風雨にさらされ、祈りを込めた人々の気持ちを秘めたまま、だんだん朽ちていきます。ちょっぴり不気味なこの光景に、僕の心は引きつけられてしまいます。この写真を撮ったのはもう3年も前になりますが、いまだに思い出すことがあるのです。

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